彼らは風に身を任せて飛び、特定の場所や一つの目的地にしばられることが無いように見えます。仕事、お金、学校、家を買うことなど、日々の中での心配事やしがらみにとらわれることがないようにも見えます。ある意味、自由、にも。
鳥たちは自分たちの身を人間にゆだねることはありません。時々目の前に現れては、いなくなり、そしてまたしばらく経つとまた現れます。
鳥たちは国境や人間が発明したものに影響されることはありません。季節に導かれながら好きなところへ飛んでいく自由があります。もし寒ければ、暖かい場所に探検に出るのです。彼らは純粋に本能に従って生きています。
人間の想像力も同じです。想像力に限界はありません。想像力には国境や境界がなく、既存のルールや知識によって制限されるものではありません。想像力は鳥たちと同じような本能によって導かれます。
想像の世界ではどのようなことも許されるし正しいのです。考え方やアイデアの聖域とも言えるでしょう。
自分の想像力を駆使することによって、現実逃避することが可能です。想像の中では自分の理想とする世界 ―理想郷― を作ることができます。
このワークショップ「BIRDS」では個人もしくは小さなグループで皆さんに想像上の鳥を作ってもらいます。描いた鳥はテンプレートに書き写され、特別支援学校の壁で使う「クリーニングタグ」となります。
ヨルン・ビシュルー
